ジャイアンツ愛のみんぐ、全試合レポート

巨人戦、全試合をレポートすることを目的に10数年やってます

CSを前にして今の選手の状態をチェックしてみた

悪夢の10.8決戦から一週間。いよいよ明日からクライマックスシリーズ・ファーストステージが始まる。ロッテのファーストステージでの逆転劇とファイナルステージの勝利で1勝1敗に持ち込む姿を「巨人もこうだったらいいなぁ」とうらやましく見つつも、巨人が勝ち進むためのヒントも見せてくれた貴重な3試合だと感じているファンの人たちも多いのではないでしょうか。

短期決戦に大事なことは、勢いとラッキーボーイの存在だと私は思っていますが、ロッテには連夜の逆転勝ちという勢いと、復帰後即起用された里崎のバッティングや今岡の起用など西村監督の”その日の状態の良い選手を使う”とでもいうようなポリシーのある選手起用がことごとくあたったゲームだったと思う。シーズンの戦い方を踏襲しつつも、瞬間瞬間で状態を見極めて起用する姿は原監督の目にどう映っただろうか・・・個人的にはシーズンのスタイルは一度破棄して、新たにリセットした状態からゲームを組み立てて欲しいと願っている(そういう意味では落合監督の一度全員を抹消して選びなおすというやり方は私の考えに近い)。

ペナント終了してからの1週間の選手の動きを、入っている情報を元に少し分析して明日からの試合に備えてみたいと思う。

■坂本

長野、脇谷と共に若手3選手に原監督が特別授業を開催。バッティングももちろんだが、守備の強化にも時間を割いて取り組んでいる模様。

12日のシート打撃ではショートゴロ、ライト前ヒットとセンター返しを意識した原監督の指導の効果かポップフライ病は治りつつあるようだ。

■長野

脇谷とともに「見逃し三振禁止令」を出されている長野だが、シート打撃で高木に対してボール球を振ってストライクを見逃す三振を喫すと右翼ポールまでのダッシュを命じられた。好不調の激しい選手だけに良い状態で阪神戦に入るため、まだまだ指導が続きそうだ。14日のシート打撃では中里から2本塁打を放つなど”今日は”調子は上向きなようだ。

 

■松本

9日には「ポストシーズンでは2番センターの先発を奪回する」と口にしてフェニックスリーグに参加。自分は調整している立場ではないと、試合に出ながらも夜間練習でキャンプさながらにバットを振り込んだ。

■小笠原

昨季のポストシーズンでは15打数7安打と活躍し、通算でも3割5分9厘と高打率を誇るガッツは、ペナント終了の翌日には「一度リセットして戦う」と宣言している。どんな時でも慢心無く集中力を切らさない選手だけに心配はしていないが、ペナント最終週は決して良い出来とはいえない状態だったため、どの程度調子を取り戻しているかがカギになりそうだ。ポストシーズンは全試合でエースクラスの投手と戦うことになるため、中軸バッターが如何に戦う姿勢を見せてくれるかがチームの勢いをもたらすだけに、ガッツにかかる期待は大きい。

■ラミレス

「ホームランをCSで打つのは難しい。チームの勝利に貢献できるタイムリーが重要になる」と話しているラミちゃん。今季1本しか本塁打を打てていない甲子園ではセンター方向を中心としたアベレージヒッティングを心がけるようだ。今季はホームランキング宣言をしたこともあってか、アベレージが上がらず中盤まではひやひやしていたが、終わってみれば3割越えとしっかりと結果を出すあたりはさすが。首位打者にもなった実績からわかるように、長打を捨ててヒット製造機と化せば相手がエースだろうがなんだろうが出塁するための集中力は並大抵のものではない。彼がタイムリーを打つことに本気になるということであれば、1~3番の出塁率が勝利のカギとなるだろう。

シート打撃では今季相性の良い能見を意識してグライシンガーとの勝負を回避して高木のときに打席に立つなど既に頭の中は能見との対戦モードになっているようだ。

■脇谷

調子が悪いと身体が流れてしまう悪い癖を矯正するために軸を意識したバッティングを改めて指導されたという脇谷。シート打撃では見逃し三振をしたために罰としてダッシュをさせられるなど結果を求められるための厳しい指導も行われたようだが、古城とセカンドを争う立場としてガムシャラな姿勢を見せて欲しい

■寺内

2日の横浜戦でバントを失敗し、何のために上にいるのか存在意義を問われかけていた寺内だが、フェニックスリーグのソフトバンク戦ではキッチリと犠打を決めるなど、手堅さをアピールしたようだ。CSでは守り勝つ野球、1点を取りに行く野球をしなければいけないだけに、ココゾという場面で犠打を決め、貴重な1点に貢献できるよう頑張ってもらいたい。

■鈴木

フェニックス・リーグのソフトバンク戦で3打数2安打と結果を出し「スイングの形を確認できた」と納得した模様。2008年はゴールデングラブ賞を受賞し、105試合に出場して3割4厘と素晴らしい成績を残したスイッチヒッター。昨年は松本の台頭でなかなか先発出場のチャンスには恵まれなかったが、個人的には松本の調子が悪い時は彼を代わりに出すべきだとずっと思っていた選手。相手投手の利き腕に関係なく打席に立てるのは非常に大きい戦力だし、代走&守備固め専門で使うのはもったいない。シーズンを通じて打席に立つことが出来れば今でも3割近いアベレージは叩きだせるセンスの持ち主だけに不満の多いシーズンだったろうが、その悔しさを爆発させて欲しいと願う。

■高橋

シート打撃でクルーンの150km/hをバックスクリーンへ放り込むなど、過去のCSでの嫌な思い出を払拭するための準備を怠らない由伸が1塁先発出場をアピールしている。左ながら能見とは5打数3安打と好相性なだけに先発出場は充分に考えられる。

クルーン

「相変わらずクルーンに苦ルーン」なんて恥ずかしい見出しでCS前のシート打撃で四球を連発するなど安定感が見られない状態。本人は来年も巨人でやりたいし、仮にほかに行くことになったとしても現役でいたい。と言っているようだが、今のままでは非常に苦しいのが現実。160km/h を超えたストレートも今では150km/h中盤あたりで、制球に気が行くと150km/h前半ということもしばしば。ど真ん中でもいいから思いっきり投げる姿を取り戻さない限り使えそうにない。個人的にはCSでその姿を見せて欲しいと願っているが、1点を争う緊張感のある試合の中で出番があるかどうか・・・・

■山口、越智、久保

クルーンが相変わらず不安定な状態であることから、ストッパーは上記3人が試合の状況や相手打者に応じて日替わりで勤めることになりそうだと斉藤コーチが話している。将来のストッパー候補という意味では越智が適任なのかもしれないが、ペナント最終週では決して万全とはいえない状態だったことから、この1週間の間にどれだけ復調できているかがキーになりそうだ。

■ゴンザレス

今季ブラゼルには11打数無安打7三振と相性の良さを生かして「ブラゼル専用のワンポイントリリーフ」に名乗りをあげるなど、先発には拘らずチームに貢献する姿勢を示しているようだ。5日の横浜戦では2回無失点と好リリーフをするなど、ロングリリーフもできる適正を示しているだけに、中継ぎとして活躍する気持ちがあるのであれば大きな戦力として期待できる。9月以降は安定した投球内容だったので彼をどういったタイミングで使うかがキーになる試合が出てきそうだ。

■東野

マエケンと投げ合って勝った事が自信になっているのか、状態の良さをアピールしていた。体調良く気持ちが入りさえすれば阪神相手でも充分に期待に応えてくれる選手だけに、コンディションにだけ気をつけてくれれば良いと願うばかり。ペナントでは中盤以降勝ちがつかない試合を続けたことで東野の評価は当初より下がってしまったが、冷静に考えればチームいちの13勝をたたき出した勝ち頭であることは事実。普通ならもっと称えられていい数字を残しているのだから、私も頭の中を一度リセットして13勝投手として彼を見てあげたいと思う。

13日のブルペンでは新球のチェンジアップを試投し中盤に捕まることの多かったシーズンを反省して相手を幻惑させる球として投げる予定があると宣言している

■内海

東野のチェンジアップと同じく、内海は新球としてフォークを準備している。ブルペンで投げたフォークに内海自身は「右でも左でも空振りが取れる」と自信満々のようだが、一方で「フォークがあると思わせることが出来るだけでも効果がある」とも分析しているようだ。どこまで通用するか期待しているが、CSは中継ぎが豊富なだけに長いイニングを投げることより4~5回を死に物狂いで投げるつもりで準備して欲しいと思う。

■高木、マイケル

ともにシート打撃で打者7人に投げ、まずまずの結果で好調をアピール。CSでは先発候補が3~4人で残りは全てリリーフに回るスクランブル体勢になるだけに、ワンポイントでの起用になることも充分ありえるが、特にマイケルに関しては今シーズンはバツグンの安定感を発揮しているだけに、ゴンザレス共々右のリリーフとしてフル回転してもらいたいし、今季の成績と過去の実績を考えても、実は今現在ストッパーに一番適任なのはマイケルなんじゃないかと個人的には思っている。

■グライシンガー

シート打撃に登板し「今季一番調子が良い」というグライシンガー。長いイニングにはまだ不安があるが、少ない投球数であれば抜群の安定感を発揮しそうだ。CSファーストステージでは中継ぎで登板予定だが、ファイナルステージに行けるようになれば先発候補の1人に考えられている。

■朝井

フェニックス・リーグに登板し3イニングを35球でパーフェクトリリーフし、阪神戦の第3試合(までもつれて欲しくないが・・・・)の先発に当確したようだ。150km/h近いストレートと90km/h台のチェンジアップがバツグンに決まっており、後半戦の立役者がポストシーズンでもキーマンになりそうな状態を維持してくれている。

■亀井

フェニックス・リーグの広島戦で先発し、3打数2安打1盗塁と復調をアピールし14日から1軍に合流した。新たな打撃フォームへのトライアルも順調なようで、原監督はCSの切り札と考えているようだ。結果を出すしか今季落とした信頼を回復する手段は無いが「今までの鬱憤を晴らしたい」と本人も言っているようだし「終わりよければ全て良し」というシーズンになるかどうか・・・個人的には・・・・不安だ。

■豊田、西村

ともに1軍に合流し持ち味をアピール。特に豊田はポストシーズンでは無類の強さを発揮している実績があるだけに首脳陣の期待も大きいようだ。14日のブルペンではストレートのコントロールとキレの良いフォークはまだまだ健在のようで、豊田の調子が良いようであれば、また心強いリリーフが加わることになる。

と、今得られている情報をつらつらと列挙してみたが、阪神や中日の情報も収集してみると両チームとも大きなトラブルも無く順調に本番に向けて仕上げてきているようで、侮れない。

何度も言うが、短期決戦では勢いが大事。つまらないミスや不慮の事故などはもっとも避けなければいけない。その上で勢いづけるには、やはり若手の元気よさとクリーンアップの調子が不可欠。攻撃では先発投手をいかに早い回で交代させることが出来るかが大事になってくるし、守りでは相手の攻撃の芽を摘むためにも適材適所による継投が必要になる。中継ぎ勝負になればグッと有利になるわけで、とにかく久保田、藤川に登板のチャンスを与えないように常に先手先手で点数を入れてゆく流れに持ってゆきたい。

何といっても3位で終わったシーズン。CSは神様からのプレゼントと割り切って、思い切りこの次期まで野球ができることを楽しんで欲しいと思う。ぶっちゃけ、阪神や中日の方がプレッシャーを感じているんではないかと、ここまでのパリーグのCSを見る限りそんな感じもしている。