ジャイアンツ愛のみんぐ、全試合レポート

巨人戦、全試合をレポートすることを目的に10数年やってます

今年のドラフトはどうだったか?3日たって考えてみた

2016年のドラフトが終了しました

思えば、去年は由伸監督が誕生するかしないかでバタバタして、この場に監督はいなかったなぁ・・・ここで指名された選手に由伸監督の意向は入ってなかったと思い、複雑な心境で見てました

ただ、今年は違う

1年間のシーズンを戦って、良い意味でも悪い意味でも改めてチームの状態を把握し、来季に向かって足りないもの、さらにその後を考えたドラフトになるのはあきらか。球団の思惑とスカウトたちが見てきたレポートを見た上で、どういう指名をするのか本当に楽しみにしてました。

しかし…今季の巨人が色々とまごついたように、ドラフトに関しても”くじ運”という意味では、ちょっと厳しいかなと思っていたのですが、前日に球団から発表された1位候補は「田中正義」

ここのところ、名より実をといえば聞こえは良いですが、どちらかというと競合を避けてきたようなイメージがあるので、多数の球団とかぶる可能性の高い指名をするというのは半分予想外でした。

しかも最初のクジに外れて、次も佐々木にゆくとは…(ま、事前に報道はありましたけど)今年の巨人は違う、冒険しているというのをヒシヒシと感じて、ハズレはしたもののちょっと嬉しかったですね

さて、今回の巨人のドラフトですが、総論としては「わりと良かったんじゃない?」というのが第一印象。もちろん、1位選手を当初の希望通り取れるに越したことはないのですが、2球団くらいならともかく、5球団ともなると4球団が外れるわけで、それはある意味、想定内だったと言えるでしょう

問題なのはクジに漏れた後の事をしっかり考えているかどうかということで、むしろそこからが各球団の本当の思惑が見え隠れするところで、ドラフトの醍醐味でもあります

ということで、一位の吉川について感想を言う前に、今回指名した選手をあげてみましょう

1位 吉川 尚輝 (中京学院大内野手、右左)

2位 畠 世周 (近大、投手、右左)

3位 谷岡 竜平 (東芝、投手、右右)

4位 池田 駿 (ヤマハ、投手、左左)

5位 高田 萌生 (創志学園、投手、右右)

6位 大江 竜聖 (二松学舍大付、投手、左左)

7位 リャオ・レンレイ (開南大=台湾、投手、右右)

育成1位 高井 俊 (BC・新潟、投手、右右)

育成2位 加藤 脩平 (磐田東、外野手、右左)

育成3位 山川 和大 (BFL・兵庫、投手、右左)

育成4位 坂本 工宣 (関西学院大準公式、投手、右右)

育成5位 松原 聖弥 (明星大、外野手、右左)

育成6位 高山 竜太朗 (九産大、捕手、右右)

育成7位 堀岡 隼人 (青森山田、投手、右右)

育成8位 松沢 裕介 (四国IL・香川、外野手、左左)

去年もそうでしたけど、3軍まで作った巨人は今年も12球団で一番選手を獲得しました。

それが良いのか悪いのかは評価が別れるところですし、答えを出すのは難しいので、何とも言い難いところですが、個人的には分母を増やすことで競争を増し、さらにそこから勝ち上がってきた選手に対する期待ということでは、決して悪いことでは無いと思っています。

今年は例年以上に良い投手が豊富だったこと、さらに巨人としてはローテを6人揃えるのが困難だったことから、まずは投手優先で考えるのはわかりますし、田中正義、佐々木 千隼をセ・リーグの他球団に取られる可能性も考えれば、その二人をまずは指名するのは理解できます。それと同時に、仮に漏れたとしても他にも有力な投手は多いので、そこからは読み合いで誰に特攻するかということに注目していたのですが、投手を二人外した後はすんなりと吉川尚輝に矛先を変えました。

今回のドラフト候補の中では野手No1と呼び声高かった選手ですし、何と言っても第2の菊池(広島)になれる可能性の高い才能あふれる選手。球団は”坂本のライバルとして”というコメントも出していましたが、これはあきらかに何年も固定できずに苦労しているセカンドの穴を埋める筆頭でしょう

もちろん、村田に何があった時や思いの外、岡本が伸び悩んだ時のサード候補という部分もあるかもしれませんし(なんせ、肩がよくて送球も安定している)、坂本に故障でも起きた場合のことも考えなくてはいけません。バッティングも良いのですが、内野なら来年すぐにでも1軍に合流できる選手ですので、その守備力をかってということであれば、他に取られる前に指名できたことはある意味、ラッキーだったと思います

(個人的には阪神が鳥谷の後継者としてドラ2あたりで指名すると思ってました)

クルーズが心を入れ変えたとか、重信のセカンドコンバートの話も出てますし、山本、辻も来年はさらにレベルアップする可能性は高いので、固定できていないとは言え、決して競争の少ないポジションではありませんから、簡単ではないと思ってますけど、競争が激しければ激しいほど、そこから飛び出してくる選手のレベルは高くなりますので、今シーズンセカンドを守った選手の中に吉川が加わることで、近い将来、より堅牢な内野守備陣が生まれることを期待したくなります。

(出来れば広島の菊池以上の選手に育ってくれるといいのですが…)

センスの塊だと思っているので、井端のようなユーティリティプレーヤーになってくれるのも悪くない(まずはセカンド固定だろうけど)

個人的には渡辺、大森、木佐貫らのスカウトを信頼しているので、2位以下の即戦力投手に関してはぶっちゃけ余り心配してません、というか、このあたりの選手の目利きがスカウトの能力に直結しているので、来年どうなるのかちょっと楽しみではあります。

その中で個人的に注目しているのは畠世周でしょうか、故障もしていたので、上位指名で選ばれることは無いと思ってましたけど、かといって下位まで残る投手でも無かったので、2位で取れたのは良かったと思います。

また、7位のリャオ・レンレイは、正直なところサプライズ。今までの巨人にはいないタイプの長身の力投派で、即戦力とは言い難いけど、ちょっと楽しみな選手。

いや、去年までの数字だけを見れば、すぐにでも1軍で投げる姿を見たいところだけど、いかんせん三振奪取率の高さの裏側で、四死球の多さも気になるため、まずはしっかりと下半身固めと制球力の向上が必要でしょう

(マイナー、2軍レベルでは通用しても1軍で1年間となると厳しいと思う)

本人は大谷ばりの速球を目指すと公言していますが、それもまぁアリ。短所を修正するか、長所を伸ばすかという意味では、圧倒的に後者のほうが生き残れる率は高くなりますし、あの身長で160km/h近い球を投げれるようになるのであれば、充分に戦力として考えられます。マシソンがあとどれくらい巨人でやってくれるかわかりませんし、来季も澤村が不安定なピッチングをするようなら、6~7回以降を投げれるピッチャーはいくらいても困りません。相手の目線を変えるという意味でも、田口の後のリャオとか、田原と前後して投げるとか面白いかもしれません

制球力と変化球の精度に関しては、長所を伸ばしてゆく中での副産物として向上してくれればいいので、まずは荒削りで構わないから、より安定して速球を投げられる体づくりと1年間戦えるスタミナをつけて欲しいですね

谷岡竜平、池田駿も自主トレ、キャンプの内容次第では早い段階で1軍で見れるかもしれないし、即戦力として期待している。一方で高校生の指名もしっかりとしているし、特に投手に関しては木佐貫のスカウト1年目の目利きに注目しているので、お手並み拝見といきたいところ

あとは、当日、地上波でも出てて中居くんにもいじられていたけど、父親が生粋のタイガースファンである大江竜聖も面白い。正直なところ即戦力とはいえないし、時間はかかると思うけれど、「体の大きさ=選手としての能力」ではないことを田口が証明しているので、その先輩の背中を見て育ってくれると嬉しいですし、これを気に父親が大の巨人ファンになってくれることを期待してます

(ドラフト後のお父さんの表情が複雑すぎて、思わず笑ってしまった(笑))

ちょっと見てみたいのは香川オリーブガイナーズの松澤裕介。去年の育成3位での指名を負傷を理由に断ったものの、今年、負傷明けとはいえ、それほど目を見張る成績を上げていないにも関わらず、2年連続で指名したわけで、数字では見えない何かを持っている選手なのでしょう。育成での入団なので、なかなか実際に見るチャンスは無いかもしれませんが、G球場でプレーするチャンスがあれば、ちょっと足を運んで見たいと思います

それと異色なのは関西学院大の坂本投手かな、準硬式の選手ということで、硬式になった時にどれくらい球質が変わるのか非常に興味がある。全然ダメな可能性もあるし、大化けする可能性も大きい。特に投手歴が短いので、肩のスタミナという点では負担はかかっていないし、どうなるか予想もつかない。まさに育ててみないとわからない育成制度ならではの選手だと思う。

育成枠の8人は登録される枠も期間も制限があって、長い目でというわけには行かないので、指名→入団したからといって安心できるわけではないという意味では、非常にハングリーな立ち位置にいるわけで、そこから這い上がってくる選手には期待したくなる。特に社会人出身、独立リーグ出身の選手はそれこそ後が無いわけだから、だからこその飛躍を期待したい

とりあえず、本当にざっくりとだけど指名選手をざっと見て、気になる選手を調べてみた上での感想を書き連ねてみました。全員に触れたいけど、さすがにそれは長くなっちゃうのでこの辺にしておきます

よく周りから「巨人は育成がヘタだ」とか「自前の選手が伸びてこない」と言われますが、個人的には「そこまで言われるほど育ってないか?」という気がしています、確かにFAや助っ人に頼る傾向はありますが、それはまぁどこの球団も同じこと。入団3~4年めでレギュラーを奪い取る若手が見当たらないことで、前述のようなことを言われてしまいます。特に巨人の場合は育てながら優勝を必須と期待されていることもあり、1軍でチャンスを与えてもちょっと悪いと落とさざるをえないという事情から、どうしても「我慢が足りない」と否定されがちです。

確かに大田や中井、辻、山本、和田恋など上と下を行ったり来たりの1軍半選手が多いことで、良くないイメージもつきますし、育成の方法に批判が集まりそうなこともわかりますが、一方で不動のレギュラーをつかむ選手は数少ないチャンスをしっかりとモノにしてきているわけで、チャンスを貰いながら掴み損ねている選手たち自身にも問題があるでしょう。今年のカープや日ハムなど、リーグ優勝したチームに若い選手が生き生きとしていること、今の巨人に中堅以上のベテランが多いこともあって余計に悪く見られがちですが、由伸ジャイアンツの本質が問われるのは来季以降ということを考えれば、本当のサバイバルが見れるのはこれからだと思います

個人的には下でしっかりと結果を出し、上に上がって一発回答をだしてくれるような選手の登場を心待ちにしています

明日の週刊ジャイアンツでドラフトについて触れるでしょうから、その辺も見ながら、このオフを楽しみたいですね

その上で、今度は巨人を去ってゆく選手とFA市場について、変わり映えのしないコーチ陣などについても、ちょっと触れてみたいと思います

管理人:みんぐ

http://ameblo.jp/ming-maro/